家づくりQ&Aの125回目です。今回も座敷の話を少し。 座敷と言えば「床の間」というくらい伝統的な住宅とは切っても切れないポピュラーな存在の「床の間」(正しくは「床」とこ、「床の間)は俗称)ですが、もとは仏画・仏具を飾る「押板」がその起源だそうです。 やがて、書院造で貴人を迎える「上段の間」に座敷飾りとして押板、付書院、棚、帳第構が整えられていきますが、これらが茶の湯に隆盛とともに茶室に取り入れられ、その過程で「上段の間」そのものが「床の間」へと収斂し、現代に伝わる床の間のある座敷へと完成していったと言われています。 現在では掛け軸をかけたり、花を生けたりすることも少なくなってきたため、畳の部屋でも床の間を省いてしまうことも多いですが、床の間の起源に立ち返った形で、シンプルな飾り棚を置くような例も良くみられるようになりました。 参考文献: 建築用語辞典 岩波書店 民家と街並み 山川出版社 日本建築 上巻 学芸出版社 古典に学ぶ茶室の設計 建築知識 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 座敷・床の間 図版は「古典に学ぶ茶室の設計」による
2019年7月30日記事
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