家づくりQ&Aの123回目です。
いままで畳について何回かお話しましたので、これからしばらくの間、畳とは切っても切れない座敷についてお話したいと思います。
「座敷」は、もとは畳敷きの部屋のことで、鎌倉時代には客間でした。その後、室町時代には、座敷飾りが造り付けられるようになり、客間的な部屋から私的な空間へと取り込まれていったようです。
そのような座敷は、室町時代から江戸時代の初めにかけて、「書院造り」という形へと完成されていきますが、その原型は、「慈照寺(銀閣寺)の東求堂(1485年(文明17年))に造られた「同仁斎」に見ることができます。
やがて江戸時代には書院造に茶室建築の要素が取り入れられ、自由にデザインされた数奇屋風書院造が造られます。こうした数寄屋風書院は明治以降さらに洗練され昭和へと続きます。
現在では、純和風の住宅はなかなか作られなくなり、本格的な座敷は普段目にする機会も少なくなりましたが、昔ながらの座敷を訪れると何かホッとした気持ちになります。いまでも私たちの心の中にある「和」の原風景なのかもしれません。
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参考文献: 建築用語辞典 岩波書店 民家と街並み 山川出版社 日本建築 上巻 学芸出版社 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 座敷
図版は「日本建築 上巻」による
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