家づくりQ&Aの132回目です。 前回、瓦の普及は江戸後半からと書きましたが、それは度重なる大火に対する幕府の防火政策でした。しかし、その重量やコストの点から普及はなかなか進まなかったようです。 18世紀末、天明期の紀行文によると、当時は江戸近郊でも瓦葺の家屋は少なかったと記されています。また、東北に比べて西国のほうが瓦葺きの城下町を見る機会が比較的多かったようですが、雄藩といえども板葺・草葺の城下町があったという記録もあります。 屋根瓦の続く街並みは日本の原風景のひとつです。小学唱歌「こいのぼり」の描写する風景は、ある一定の年齢以上の方は容易に思い浮かべることができるでしょう。しかし、この歌の初出は大正2年(1913)ですから、この風景が日常となるまでには100年余りかかったことになります。 参考文献: 日本建築 上巻 学芸出版社 屋根の日本史 中公新書 和瓦のはなし 鹿島出版会 屋根のデザイン百科 彰国社 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 瓦
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