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家づくりQ&A 第13回

さて、いよいよ着工ですが、伝統的な営みである建築にはいろいろと祭礼があります。 Q:どんなお祭事がありますか? A:仏式で行うこともありますが、一般的には建築に関する儀式のほとんどが神式で行われるようです。ですので、神式ベースでお話を進めます。

一般的には①地鎮祭②上棟式③清祓式④竣工披露宴の四つですが、③は最近ではほとんど行われていません。

今回は、工事に先立つ「地鎮祭」についてです。 「地鎮祭」は土地の神を鎮め、土地をさせてもらえるように許しを得るお祭事です。祭神は大地主大神(おおとこぬしのおおかみ)とその土地の産土大神(うぶすなのおおかみ)です。

式次第は ① 手水(ちょうず) 手水で両手を洗い、心身を浄める。 ② 修祓(しゅばつ) 参列者・お供え物を祓い清める儀式。 ③ 降神(こうしん) 氏神を迎える儀式。 ④ 献饌(けんせん) 神様にお供え物を食べていただく儀式。 ⑤ 祝詞奏上(のりとそうじょう) 祝詞を奏上する。 ⑥ 四方祓(しほうはらい) 土地の四隅をお祓いをし、清める。切麻(きりぬさ)・散米(さんまい)とも言う。 ⑦ 地鎮(じちん) 斎鎌(いみかま)を使った刈初(かりそめ:設計者)、斎鋤(いみすき)を使った穿初(うがちぞめ:施工者)、斎鍬(いみくわ)を使った鍬入(くわいれ:施主)等が行われる。 ⑧ 玉串奉奠(たまぐしほうてん) 神前に玉串を奉り拝礼する。 ⑨ 撤饌(てっせん) お供え物を下げる。 ⑩ 昇神(しょうしん) 神様をもとの御座所に送る儀式。 ⑪ 神酒拝戴(おみきはいたい) お神酒を飲み交わす儀式。

文字で書くと長いですが、時間的にはそれほど長いものではありません。 また、お供えは生のものが用いられ、獣肉は避けます。神様に捧げるものなので、形の良くきれいなものを用意します。 お供え物は米、酒、餅、海魚、川魚、野鳥、海藻、野菜、菓子、塩、水などを一般には施主が準備します。 細かい点は、実際に祭事を執り行う神職に尋ねた方が確実ですね。

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